No.98 人は楽しいから噂する(2分20秒)
2023年5月25日(木)「まぐまぐ」にて
掲載したコラム(一部修正)です。
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後藤 靖治/GOTO Yasuharu
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No.98 人は楽しいから噂する
■悪い噂はなぜ広まるのか
「3対11」という数字をご存知ですか?
これはプロ野球の対戦成績ではなく、
経済学者フィリップ・コトラーが示した
良い噂と悪い噂の拡散率の差です。
良い体験を人は平均3人に伝えますが、
悪い体験は11人に伝わるという研究結果です。
つまり、悪い噂は
良い噂の3倍以上広まりやすいのです。
私たちは何かを他人に話したいという
心理がありますが、
特に悪い話は興味を引くため、
自然と拡散してしまうのです。
例えば、現在放送中の大河ドラマ「どうする家康」の
エピソードに見られるように、
噂は真偽が定かでないにも関わらず、
面白おかしく伝わることが多いです。
家康が戦で敗北し、
恐怖のあまり「馬上で脱糞した」という話や、
食事代を踏み倒したという逸話もその一例です。
こうした話は意図的に面白さを加えることで、
人々に広がりやすくなることが分かります。
■普通じゃダメ
噂は普通のことでは広がりません。
驚きや意外性がなければ、
噂にはならないのです。
先月行われた芦屋市の市長選挙で当選した
26歳のTさんは、その一例です。
彼のお辞儀は他の候補者とは一線を画しており、
まるでロボットのような、ゆっくりとした動きが
話題になりました。
この異様な動作がテレビやネットで取り上げられ、
Tさんは一躍有名人となりました。
彼の例から分かるように、
普通ではない行動や特徴が
噂の種になるのです。
<噂を作る3つのステップ>
-
普通のやり方を考える
例:ラーメン屋の看板を店の入口に設置する。
-
そのやり方を「普通じゃない」方法に変える
例:看板を上下逆さまに設置する(文字も逆さま)。
-
噂の広がりを確認する
例:看板を見たお客が写真を撮り、
SNSに投稿することで噂が広がる(実際の事象です)。
あなたの会社でも、商品やサービスに
「普通じゃない」要素を加えてみてください。
意外と簡単に噂を作ることができ、
楽しみながら口コミを促進できるかもしれません。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。(後藤)
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