No.15 最後の商談
2021年10月21日(木)「まぐまぐ」にて掲載したコラムです。https://www.mag2.com/m/0001694783
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コラム:経営者のためのプロモーションのススメ
著者:プロモート経営事務所・代表
後藤 靖治/GOTO Yasuharu
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No.15 最後の商談 (所要時間5分)
【目次】
■劇画ビジネス
■引継ぎたくなる会社を築く
■劇画ビジネス
先日、「ゴルゴ13」の作者、
さいとう・たかをさんの訃報を
メディアが報じました。
ゴルゴ13は1968年以来、
単一漫画シリーズの連載を
続けていることが評価され、
2021年7月にギネス世界記録の認定を
受けるなど日本を代表する漫画です。
また、さいとうさんは劇画ビジネスを
確立させた方としても知られています。
劇画とは
分業により長編作品を
創り上げることです。
従来の漫画では企画・描く等の
全ての工程を一人の漫画家が
こなすのが一般的でした。
しかし、さいとうさんは、
劇画は個人の創作ではないと考え、
1960年に分業制度を導入し、
さいとう・プロダクションを設立しました。
分業制度では、背景を描く人、
自動車や飛行機などの機械類を
描く人など描き手が得意とする
分野を担当させます。
さいとうさん曰く、
自分の不得意な部分は自分よりも
上手く描ける人に任せた方が
効率的と考えていたようです。
そして、最も驚いたことが
徹底したリアリティーの追求です。
リアリティーを追求するために
脚本はその道のプロに依頼したのです。
例えば、
イラク戦争を描くためにイラクに
駐留していた現役の大使館員、
銀行再編の回には現役の行員、
現役キャリア官僚や生物学者など
その業界の内情に詳しい人物を
起用することでリアリティーを
徹底したのです。
従来の漫画では、
主人公が絶対的な
正義のヒーローであり、
それに敵対する者は
全て悪と言うのが常識でした。
ところが、
リアリティーを追求するゴルゴ13では、
何が正義で何が悪なのかは定義していません。
ゴルゴ13の世界もまた
戦争や争いは絶えず起こっています。
どちらの国にも
正義があり、悪があるのです。
主人公のデューク東郷は
名前からして日本人と思われます。
しかし、ストーリーの展開次第では
日本が悪になることもあるのです。
日本人の読者からすれば、
日本が悪になるストーリーには
複雑な感じを抱くかもしれませんが、
かえってこのリアリティーが
大人向けの劇画ビジネスの
確立に繋がったのでしょう。
さいとうさん亡き後、残されたスタッフの方々は
今日も変わらずゴルゴ13の連載の準備をしています。
さいとうさんが、
「さいとう・プロダクション」と言う
価値ある資産を残してくださったからに他なりません。
■引継ぎたくなる会社を築く
会社はいずれ、
創業者から離れ
引き継つがれて行きます。
しかし、魅力ある会社でなければ
誰も引き継ぎたい人など現れません。
近年、地方自治体では
中小企業のM&Aや買収といった
企業の引継ぎを仲介する
事業承継支援が活発になっています。
会社を売却するのですから
経営者にとっては
「最後の商談」
と言いえるでしょう。
会社を評価する際に使われる資産には、
人・モノ・カネ・情報の4つがありますが、
近年では第5の資産として
「ブランド」が注目されています。
ブランドは
顧客が持つ会社や商品のイメージです。
イメージが良ければ商品・サービスが売れ、
利益を生みやすいことからブランドは
資産として重要視されています。
ゴルゴ13を描く
「さいとう・プロダクション」であれば、
「劇画ビジネスのパイオニア」を
イメージされる方が多いでしょう。
リアリティーを追求した劇画を
見事にビジネスとして確立させた
「さいとう・プロダクション」であれば、
誰もが引き継ぎたいと手を上げることに
間違いありません。
会社は経営者が
命がけで築き上げた
資産です。
そして、資産は
一日一日の積み重ねによって
価値が高まります。
みなさんは、
必ず来る「最後の商談」
に備えていますか。
最後まで読んでいただき、
有り難うございました。
後藤
参考
■さいとう・プロダクション(HP)
■NHK(クローズアップ現代+)
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2022年03月16日 13:33