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No.2 売れる公式・売る公式


2021年7月22日(木)「まぐまぐ」にて掲載したコラムです。
https://www.mag2.com/m/0001694783

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「瓢箪から駒」経営者のためのプロモーションのススメ

No.2 売れる公式・売る公式

著者:後藤 靖治/GOTO Yasuharu
   プロモート経営事務所・代表 https://promote-kj.com
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学生時代は必死に
公式を覚えるのが仕事でした。

しかし、社会人になってから
公式を使う機会がなかなか無いので
公式とは無縁になってしまいがちです。

ところが、ビジネスの世界にも
重要な公式があるのです。


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これより本文
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【目次】
■基本公式
■新規顧客を増やして倒産
■下げると利益を失う
■下げる時は計画的に
■上げる思考の公式
■常に利益は確保する


■基本公式
「売上=客数×客単価」は経営者の方であれば
誰もがご存じである公式と思います。

有名な公式だけに説明は不要かもしれませんが
復習を兼ねて読み進めて下さい。
 
客数は「既存顧客と新規顧客」に分けることができ、
客単価は「単価と買上点数」に分けることができます。

客数と客単価を細かく分解することで
ヌケ・モレがなく対応ができる分かりやすい公式です。
 

客数と客単価のどちらか一方、又は両方を「上げる」
ことができれば理論上は売上(利益)を増やすことが
期待できるので使わない手はありません。

 
とは言え、「上げる」と言われてもそう簡単に
「上がらない、上げられない」のが現実です。

公式の理屈は理解できたとしても
売上が伸びることはなかなか困難なことであり
日々、経営でご苦労されている
経営者の方は少なくないと思います。


 
■新規顧客を増やして倒産
私がカナダにある専門学校(A校)で
営業をしていた15年程前のことです。

新規顧客を増やしたにもかかわらず、
あっという間に倒産してしまった
専門学校(B校)の話です。
 

B校は私が営業職を行っているA校と同じ
カナダにある専門学校です。

場所も近いためいわゆるライバル校
と言ったとことです。

そのため、多くの入学希望者はB校とA校の
両校の入学説明会に参加し、
両校を比較する光景をよく見かけました。
 

両校とも入学は毎月できるのですが、
ある月の入学者数が7:3くらいで
B校の方がA校よりも入学者数が
多かった時期がありました。

負けてるじゃないか!

とダメだしされそうですが、

私も上司である学校長もそれほど
悲観はしていませんでした。(ちょっと焦っていましたが・・・)
 

B校とA校で学ぶカリキュラム自体には
あまり違いは無いと思いますが、
ひとつだけ大きな違いがあります。


それは学費です。


B校の学費はA校の半分以下だったと記憶しています。

正規の学費は同額なのですが、
B校は頻繁に割引キャンペーンをしており、
ある月の割引率は50%、しかも入学金ゼロを
武器に入学者数を増やしていたのです。

B校が急に入学者数を増やした背景には
圧倒的な価格の低さがあったのです。

ちなみにA校の割引きはゼロです。


数カ月が経過したある日です。

B校の生徒が数名からA校の校長へ
面談の申し出がありました。

何が起きたかと端的に言いますと、
B校が突然、閉校(倒産)してしまったのです。

B校の学生は学校に登校して初めて
閉校を知ったのですから、驚いたことでしょう。

B校の生徒達は、どうにかA校に編入させて欲しいと
A校の校長に嘆願に来たのです。

 
ここで、公式「売上=客数×客単価」で検証してみます。


B校は学費(客単価)を50%割引することで
入学者数(客数)を増やす方針を打ち出しました。

価格を下げれば、お得感によって客数が増えやすくなります。

そして、実際にB校の経営者の方針通りに
客数は大幅に増えたのですから
B校の価格戦略は機能しているように見受けられます。
 

しかし、ちょっと待てよ、と感じた方はおられるでしょう。

なぜならB校は客数を増やしているのに
閉校(倒産)しているのです。

つまりB校の方針は客数を増やす効果は有る
かもしれませんが残念ながら
売上(利益)を増やす方針ではなかったのです。


 
■下げると利益を失う
経営者の最も期待することは
売上・利益を最大限に高めることです。

公式の「売上=客数×客単価」の客数と客単価の両方、
もしくは、どちらか片方を「上げる」ことで、
売上(利益)が増えることは
とてもシンプルで分かりやすい論理です。
 

ところが、B校は「下げた」のです。


しかも、50%も学費(客単価)を下げたのです。


まぁ~確かにインパクトのある価格訴求だった
ことは間違いないことです。

しかしB校の経営者は、売上を増やす理論の
真逆の「下げる」経営判断をしたのです。

 
学校運営には高い人件費や校舎の賃貸料などの固定費が
費用の大部分を占める費用構造です。

学費(客単価)を下げれば、たちまち売上(利益)が減り
経営状況は悪化することは容易に想像がつきます。

B校も例外ではなかったはずです。
 

しかし、価格を下げたB校の経営方針は
他社ごとではない気がします。

何とか、客数を増やしたい、何とかノルマを
達成したい想いから価格を「下げる」決断をする
経営者は少なくありません。


公式の理論に反するにも拘らずです。

 
ではなぜ、B校のような「下げる」
経営判断をしてしまうのでしょうか。


それは、「売上=客数×客単価」は
「売れる」思考の公式だからです。


「売れる」とは、
顧客に買ってもらえるように
顧客に合させる感覚で
受け身的な営業スタイルである
ニュアンスが伝わるかと思います。


受け身スタイルの場合、
買ってもらえないのではと
売れないリスクを回避する
心理が働くため、
定価販売が出来ないのです。

 
そのため、買ってもらうために、
顧客が買ってくれる価格を
設定してしまうのです。

価格を「下げる」と買ってもらえる、
だから客数が増える算段です。
 


■下げる時は計画的に
「売上=客数×客単価」は現状の客数と客単価を
掛け合わせるのですから、
現状の売上高を算出する計算式としては常に機能します。

つまり、売上高の増減には特に着目しておらず
売上が増加することを必ずしも前提にしなくても
成立する公式なのです。
 

だからこそ、
「客数増加」×「客単価減少」=「売上減少」という
おかしな公式が成立してしまい、
売上ではなく客数が増えたことで
目的が達成した気分になってしまうのです。

 
ただし、誤解が無いように申し上げますが
価格を下げることが全てダメと言うことではありません。


利益が確保できる無理のない範囲内での
価格の引き下げは健全なビジネスの一手と私は考えます。
 

ダメなのは、
計画なし、交渉なし、利益確保なしの
安易な価格の引き下げです。


必ずと言ってよいほど、
安易に客単価を下げる判断をすると
B校のように過酷な道を
自ら進むことになりかねません。
 


■上げる思考の公式
ここで、ご紹介したい公式があります。

それは「売上=営業力×商品力」の公式です。

「売上=客数×客単」が「下げる・売れる」に対して、
「売上=営業力×商品力」は「上げる・売る」思考の公式です。
 
「売上=営業力×商品力」の構成要素である
営業力と商品力には「力」の文字が後ろに付いています。

これは企業の営業力、つまり“買ってくれる人を探し売ること”、
商品力は“他社の商品よりも優れていること”を意味します。


「力」なので少なくとも現状維持、または
強化する「上げる」経営を促すのです。


また、「客数×客単価」のように価格を下げると
客数が増えるトレードオフのような関係はありません。


「営業力」が高まれば売上が増える。

「商品力」が高まれば売上が増える。

両方高まれば更に売上が高まるのです。

 
「売上=営業力×商品力」から何が自社で出来るのか。

何をする必要があるのかなど「上げる」思考の
経営課題が浮かべば、後はそれを解決する
ための対策や工夫を決断し実行するのです。

そうすることで現状よりも
営業の力・商品の力が「上がる」のです。

 
是非とも「下げる」経営判断をするのは
極力避けたいものです。

仮に経営者が「下げる」選択をしたのであれば、
売上(利益)が確保できる緻密な計画を
作ってからが賢明です。

今度はあなたが「上げる」ための判断をする番です。


 
■常に利益は確保する
嘆願に来たB校の生徒はと言いますと、
色々と手続きがあり大変でしたが
全員の救済を受け入れることとなり
B校の生徒は晴れて当校(A校)で
学ぶことになりました。

もちろん、当校の利益がでる形で
受け入れさせていただきました。
 
長文でしたが、
最後まで読んでいただき、有り難うございました。

プロモート経営事務所 後藤


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2021年07月22日 16:41

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